小説のようなもの
東日本大震災の時に痛感したことがある。 当たり前なんだけど、「またね」が必ずしもやってくるとは限らないということだ。 そしてそれ以来、決めたことがある。 バイバイするときは絶対笑顔で別れるということだ。 毎日の行ってらっしゃいも、お疲れさまで…
「旅行に行くとさぁ、突然写真送ってきたりするんだよね。それが『あ、私のこと思い出してくれたんだな』って凄く嬉しいんだ。」 わたしの友達が言っていた、恋する相手の好きなところ。 男性の共感を得られるかはわからないけれど、わたしはすごく共感して…
「40歳になったら死のうと思っている。」 桐野夏生『ダーク』の有名な冒頭の一文だ。そして、こう続く。「死ぬと決めてからの私は、気持ちが楽になった。」 こう独白した主人公の女探偵は38歳で、わたしは今39歳だ。 でも今日書きたいのはダークの感想じゃな…
きっとこれは明日になったら書けないから、書きなぐる。 今月はいろんなことがあって、楽しいことも嬉しいことも素敵な出逢いもたくさんあった。 でもその反面、わたしにとってはつらいなと思う出来事もある月だった。 それは日を追うごとに悪化していってど…
彼女には好きな人がいた。 友達としてよく知ってから好きになることが多い彼女にとっては滅多にない、まるで出会い頭の事故のような出来事だった。 直感で生きてるくせに頭でっかちな彼女にとって、感情と理性が完全に乖離した恋だった。 恋に落ちるとき、彼…
先日、通勤に使っているターミナル駅の改札を出た時、不意に空港の匂いがした。 匂いで何かの記憶が呼び起こされる瞬間って、なんだか急に巻き戻されるような、自分が今どこに立っているかわからなくなるような不思議な感覚がある。 たとえば、真夏の雨の匂…
空港行きのリムジンバスに乗るといつも同じような感情が押し寄せる。 わくわく、そわそわ、どきどき。 そして、ちょっと胸を締め付けられるようなセンチメンタルな気持ち。 たぶん、わたしがリムジンバスに乗って空港に行った回数ぶんだけの思い出が蘇るから…